やっと二回目

最上は、法で裁かれてほしい。
やっと見に行けた二回目終了後、真っ先に感じた感想だった。

最上という人物に、すっかり肩入れしてしまった結果、ああ、逃げ切ってくれてよかったと、どこか安どしていたけれど、最上を好きになればなるほど、やはり正当に罪を贖ってほしいと思うようになった。

私は最上があのまま、逃げ延びたら、また同じことを繰り返すことになり、彼は永遠に闇をさまようことになってしまうと思うからだ。

最上には光の中で笑ってほしい
木村拓哉という人の肉体を借りた最上は救われてほしいと、私の中のファン心が思うのだ(笑)

この映画はほんとに、いろいろなメッセージが込められている

正義の名のものに、権力のあるものがないものを黙らせたら、
それはたぶん、いつか正義のためではなく権力のあるものの保身に代わり、やがては正義の名の下に行われる暴力へと変わっていくのだと思う。

スポーツ界のパラハラなどもいい例かもしれない
強くなるため、勝つためという大義名分の中で行われている、ちょっとした独裁なのだろうと思う。
勝つためにはやむを得ないという理屈を認めてしまったら、いつか息苦しい社会へとつながっていくのだと思う。

あの映画の中で、沖野は弱い存在だ。それでも、あなたは罪人だと言い切る若い正義感が、最後に救いだったなと思う。

その沖野を演じた二宮和也さん。すごい役者さんだと思った。
どうしてもあの取り調べの迫力ばかりがクローズアップされてしまうけれど、私はとても繊細に変わる目の表情が印象的だった。
怒りの中の悲しみとか、おびえの中の怒りとか、矛盾する感情を目の表情で表現することができる。

まさに才能と才能の共演。この映画のすべての役者さんが素晴らしかった。