無限の住人

ぶった切りエンターテインメント。
映画の宣伝文句そのままの、ぶった切り映画。
人が切りあうのがエンターテインメントになるというすごさ
なんだかね動物臭がしそうでした。
映画のストーリーだとか、人と人のかかわりとか、それよりも、人が切りあうことに何よりドラマを感じてしまうというすごさ。
万次は野良犬のように吠え、やられてもやられても無様な格好で立ち上げる
血みどろの姿はどこにも、血の甘さやエロスを感じさせることなく、ただひたすらすさまじい
見ているこちらにも、刀が肉を切り裂いた時の刀の重さやいたさが伝わってくる。
見ているものに伝わってくるのは、切りあいで伝わってくる生々しい肉体のずっしりとした重さ。
この映画が描くのは生きるすさまじさ。生きているものが死んでいくときのすさまじさ。
死ねない万次はこの生き死にのすさまじさを繰り返し感じつつけなければない

無限の時間をさまよう万次の前に、ポッと灯りがともったように現れた凜。
凜もまた無限の時間の中のいっときの存在にすぎないのだ。
そのいっときの存在に、自分が生きている意味を見出し、まるでそれが生きている証のように、体から血を流し、戦いに身を投じていく。
しかし、それすらも万次の無限の時の、いっときにすぎない。
そう考えると、あの最後のシーンは、なんとも言えない気持ちになる。
次に凜のような存在に出会うのはいつなんだろう。
見送るばかりの人生が永遠に続くなんで、考えただけで怖くなる。

とりあえず今日は、ぶった切りの衝撃に浸りたいと思います(笑)